外来化学療法と腫瘍内科医

仕事に復帰する前、迷った。自分の本当にやりたいことは？
本当にやりたいことはあるんだろうけど、それをやってしまうと
家庭生活が成り立たない。ある程度夢と現実の折り合いをつけなければならない。

で、今の仕事に戻った。戻ってみて感じるのは、「好き」で仕事をしている
優秀で人柄のよい上司に恵まれたこと。やりがいを教えてもらっているように思います。
「入院」だけでなく「外来」で化学療法を続けることができること
＝生活しながら闘病する患者さんとじっくりどっぷりがっぷり向きあいながら治療を続けるという重さ。

仕事をしながら化学療法をする方。
自分より若い患者さん。
子供や孫と一緒に闘病を頑張っている方。
いつも必ずご夫婦で受診される方。
それまで病気一つしたことがなくとっても健康だった方。
一人暮らしで病気と向き合っている方。
配偶者をがんで亡くした方。
などなどなど・・・

いろんな背景を持った患者さんとの長期的なお付き合い。
無治療だと半年の余命が化学療法で2年余りに伸びてきている昨今。
ご病気の種類によっては、化学療法で完治が期待できる現在。
われわれの仕事はまだまだたくさんあります。
私が臨床を離れていた間にすっかり進化した外来化学療法。
そして、今は腫瘍内科医も担当する緩和医療。奥の深い世界です。
まだもう少し続けてみないとわかりませんが、この仕事、選んでよかったのかもしれません。