最後の一口

この前の院内の勉強会で栄養士さんが言っていてとても印象に残ったこと。
それが、この「最後の一口」です。
自分が他界する前、最後に食べたいものって何だろう。
ご病気で食事が食べられない患者さんが多いので、食べること（＝生きる活力）
については、いつも頭を悩ませています。

今日私の受け持ちの患者さんが永眠されました。
今までご病気で食欲がなかったのに、今日はご家族が差し入れて下さった
お鮨を７貫召し上がったそうです。うれしそうに話してくれました。
そして、その後急変され、それが結局最後の一口になりました。

最後にご家族の差し入れてくれたお鮨を、おいしい、うれしいと
召し上がった患者さん。亡くなったのはとても残念なことですが、
「良い最後の一口が召し上がれてよかった」。。。
ご家族に思われて、ご家族に囲まれて、
生前いかにご家族を大切にされていたのかがわかる、胸に沁みるお別れでした。

口は災いのもと

昨日は新患担当だったかいけママ。
新患担当日は左のカルテの山をさばいて、右に積み上げていく時間勝負の仕事です。

朝、まず最初にざっと紹介状に目を通し、重症度と予約の順番で診察の順番を決めます。
次に、一人ひとりの患者さんの現病歴、既往歴、家族歴、アレルギー歴、生活歴等を聴取します。
身体所見を取り、必要な検査をオーダーします。結果を確認し、治療方針を決定します。
お薬を出したり、診断がつかない時は精密検査の予定を立てたり、重症の時は入院の手配をしたり。
山の様な仕事をどんどん判断してこなしていかなくてはなりません。予約以外にも飛び込みの
患者さんが来てさらにプレッシャーがかかります。

正直、集中力と瞬発力を要する気合いと体力と根性の仕事です。疲れます。
で、スタッフ廊下で看護師さんとの会話です。
かいけママ「何とかさん検査結果出た？」
看護師さん「まだです。」
かいけママ「何とかさんは写真撮って来た？」
看護師さん「まだです。」
かいけママ「じゃあ、待ち時間に◎△□さんをやっつけちゃおうか。」
看護師さん（反対側の診察室を指差して小声で）「◎△□さん、こちらで休まれています。」
かいけママ「・・・・・・」
看護師さん「（やっつけるではなく）診察する、ですよね。」

患者さんのご家族「ずいぶん和気あいあいとお仕事しているんですね。」
かいけママ「はぁ、まぁ。すいません。。。楽しく仕事させていただいています。」
壁に耳あり、障子に目あり。。。

どんなに忙しくても、やっつけ仕事はいけません。

新年度！

今年度も同じ職場で働くことになりました。
勤め始めて１年間。色々あったなぁ。
帰国していきなり職場復帰。大変でした。
２年目。去年よりも周囲が見えるし、環境にも慣れて来たし、
かいけも日本の生活に適応してくれて、なんとかかんとかやってます。
（春休みだから、お弁当が面倒。早く給食始まらないかな。）

今日は、２年目と言うことで、早速新しいことに挑戦しました。
やり遂げると、ちょっと肩の荷が軽くなりました。
一つ一つ着々と自分の引き出し、増やして行きたいな。

惻隠の情

テキスト（「がん医療における　コミュニケーション・スキル｣)を読んでいて見つけた表現。

｢明日枯れる木にも水をあげる｣ような惻隠の情が医師にとっての・・・・(略）・・・。

難しい言葉だ。思わず辞書を引いてしまった。
英語で言うとEmpathyかな。一朝一夕にはできないけど、毎日少しずつ挑戦していこう。。。

セミナー

東京は大手町までセミナーに行って来ました。
時間がなかったので、初めて「えきねっと」で切符を予約したのですが、便利でした。
東京は暖かかったです。久しぶりの外の世界。もうすぐ春なんですね。

さて、セミナーは朝の１０時から夕方４時までびっしりのスケジュールでした。
新幹線とセミナーで一日座りっぱなしで、骨折した骨が痛かったこと。。。
今回のセミナーは「コミュニケーションスキル」。全国から色々な科の先生方が
集まっていらっしゃって、皆さんのモチベーションの高さが伝わって来ました。

演題は外科、内科、緩和、精神科と各方面の先生からの視点のお話があり、
公開ロールプレイイングでは実際の診療の場面が再現されて、模擬患者さんと
ドクターの迫真の演技は臨場感あふれ、とても勉強になりました。
今ままでの自分のスキルを確認し、知識を系統立てて整理したり、
疑問に思っていたことを解決したり、参加しただけの価値はあったと思います。
さっそく明日からの現場で一つずつ、目的を持って実践していきたいです。
充実した一日でした。

でも、ちょっとくたびれたかな。

セミナー

今日はセミクローズドのセミナーを聞きに行って来た。
仕事のボスが講演するからだ。
たまたまもう一人の演者がかいけパパの先輩で、
超久しぶりの再会もした。懐かしかった
ボスの講演は、Evidence盛り沢山で分かりやすかった。
知識もたくさん、説明も上手。素晴らしい

今週末は、明日日直。明後日東京でセミナー。
一昨日は大学病院の研修に参加させてもらったし、
何となく仕事三昧の気分。
来週の学会は参加せずお留守番。。。
来年は学会にも行きたいなぁ。。。

かいけは週末パパもママもお仕事でつまんないね
来週はいっぱい遊ぼうね

来年度

来年度も今のお仕事を継続することが決まりました。
何よりスタッフがとっても優しいのがうれしい職場です！
そして、上司に恵まれています。能力も素晴らしく尊敬できるし、
みんなのことを考えて、思いやりがあって人柄も素敵な上司です。

だけど、やはり医療崩壊は進んでいるし、勤務医不足で
一人ひとりの負担が増して、来年度からはもっと大変になりそうだし。。。
ありがたいことに、大学から応援がもらえそうで、それはそれは
助かるのだけれど、それでもやっぱり常勤医が足りない。
そして実は看護スタッフも足りない。。。
足りないづくしで、一人ひとりの負担が重くのしかかってくるし、
疲れもストレスもたまってくる。

女性が子育てをしながら常勤医をするのは、
自分も大変。子供も大変。夫も大変。一緒に働く同僚も大変。上司も気がもめると思う。
なんとなく、今、ひとつのピースがうまくはまらなくって、
それが原因でストレスになるし、モチベーションが下がってしまっていて
仕事に対する気持ちが、ネガティブサイクルに入ってしまっています。
どれだけ一生懸命仕事をしても、みんないっぱいいっぱいで、
疲れていて、余裕がなくて、他の人にもっと求めたくなる。

好きな仕事だけするわけにいかないのはしょうがないけど、
やりたい仕事もできないのは精神的にかなりきつい。
そして、明らかに目に見える専門性ではなく、どちらかと言うと
頭やコミュニケーションや情報収集が必要な仕事で、
他の人には仕事の内容が見え難いため、何もしていないように
受け取られている様な気がする。。。
認めてもらうためには、来年度は、何とか仕事を発信していかなくてはいけないな。

まずはこのネガティブサイクルを断ち切らないと。
最初にできることとして、新しい資格目指して、それを励みにするかな。。。

嫁舅問題

今入院している患者さんの問題点は、
肺と腎臓と貧血と痛みと、そして、嫁舅問題。
どれが一番難しいかと言うと、そう、嫁舅問題。

医者の仕事って、頭を使うことも大事だし、
技術も大事だけど、意外と忘れちゃならないのが
コミュニケーションスキル。
これが一等難しい。
人のお宅の家族問題。ソーシャルワーカーさんと、
市町村の方と、みんなを巻き込んで何とかかんとか。
でも、すっごくエネルギーと時間がかかる。

とりあえず、コミュニケーションスキル、来月講習会に行って来ます！
技術で難しい問題がやさしくなるのなら、是非学びたいものです。

赤ちゃんの入院

今日は生後2か月の赤ちゃんが受診して、結局入院になったんだけど、
おめめがきらきらで、可愛くって、入院しなきゃいけない事態に
胸がぎゅ～っと痛くなった。
親ごさんもかわいそうだった。

子供の病気を診るのが専門の人は、いつもこんな思いをしているんだろうな。
その分、元気になった時はうれしいのだろうけど、
それでもやっぱり、子供の病気やけがはつらいなぁ。。。

疲れた、かな。疲れてるんだな。

なんかね、忙しくて、余裕が無くて。
まあ、今月締め切りのレポートがあるから、当然といえば当然なんだけど。
重症の患者さん、手のかかる患者さん複数抱えてるから当たり前なんだけど。
それにしても。疲れてるんだろうな。いろんなことに。

自分の体の状況を心が受け入れない患者さんがいる。
それを表に出せなくて、どんどん内にこもってしまって、
すっかりうつ状態になり、地面だけを見ている。
ず～っと、地面だけを見ている。
周りの家族も状況を受け入れられていない。

そんな時、どういう視点で、どういう立場で、何ができるか？
忙しくて、走り回ってて、時間も心も余裕が無くて、
いったい何ができるか？

・・・でも、基本に返って、忘れちゃいけないこと、
上司からある助言をいただいて思い出しました。
・・・っていっても、やっぱり体がひとつしかないのだから、
なかなか難しい。。。できるだけがんばってみるか。
でも、難しい。バランス。身動きが取れない。